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 <点> 介護利用者の目

                     京都新聞  2002年1月31日

 

 赤れんがの外壁に、重厚な色合いの木材と白壁が調和した内装。京田辺市の介護老人福祉施設・九十九園(つくもえん=岡本良夫園長)が、介護業務の内容について京都府の調査を受けた=写真=。

 昨年12月、元職員が施設内の特養ホームについて◇オムツの交換回数が少ない◇食事の世話や入浴時間が不十分−などと告発。市議会で取り上げられたのが発端だった。

 「職員の仕事にゆとりがなかった」と漏らすのは義母がデイサービスを利用した女性。「節約が目立ち、職員は献身的だった。でも、入れ替わりも激しかった}と指摘する。建物は気に入っていたが、数ヶ月で利用をやめた。

 母親がショートステイを数年利用した男性は「雰囲気がおかしいと思っていた」と振り返りながら、「介護の実態は家族にわかりにくく、施設側の良心を信じるほかない」。

 一方で、ある特養入所者の家族は「職員は熱心で、母も気に入っている様子だ」と弁護する。

 同園はf昨年末、市に「不適切な運営はない」と回答したが、岡本施設長は「利用者に不満のないよう個別対応できていなかった。職員が頻繁に辞めていくのは私に責任がある。府、市の指導や利用者の声に沿って、運営を改善したい」と態度を軟化させている。介護の質は、施設の立派さより経営者の姿勢しだい。お年寄りを預ける家族は、そこを見てますよ。利用者の家族の言葉は、すべての介護事業者に向けられている。(京田辺支局 後藤竜介)

 


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