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<議員の声・有権者の声>

地方議会に、今、求められていること−次田のり子−

                       世界と議会−尾崎行雄記念財団  2002年6月号

  京田辺市に何の地縁も、血縁もない私が 市議会議員になって7年が経った。私は、 この町に引っ越してきて未だ20年に満た ない新住民だ。この町を表す五里五里(ゴ リゴリ)という言葉がある。京都からも奈 良からも20キロメートルという中間点に あるこの町は、大阪にも同じ距離にある。 交通手段が発達する以前には、どこからも 不便だったこの町が今、京都・大阪・奈良 のいずれからも交通至便となり脚光を浴び ている。いわゆる京阪奈学研都市である。

  近年、市町村合併論が盛んだが、この町 では今も「昭和の大合併」以前の行政単位 である5つの大字単位に教育委員や各種審 議委員を選ぶ。私の住む大阪通勤圏の北部 の新興住宅地は人口比率も高いのだが、そ れに比例した代表を送り出せてはいない。

  私が最初の選挙に立候補する動機となっ た町(当時は田辺町)職員汚職事件は、同 志社大学の町内への移転や住宅開発による 地価の上昇による相続税などの脱税事件だ った。7期目のベテラン町長は、汚職職員 への適切な対応をとらず、初代市長となる 8選目の選挙で落選した。

  今、取り組んでいるのは消防団への「官 官接待」問題である。市長、消防長などの 市幹部が、公金を使って市消防団幹部との 飲み食いを年に5回以上行っている。一審 の京都地裁は、一人7千数百円という金額 は妥当な範囲内との判決を下したが、私は それを不服として直ちに大阪高裁に控訴し た。

  なぜ、多くの団員がいながら幹部だけを 接待するのか。せめて接待する側の市幹部 だけでも自費で飲み食いすべきではないか。 食糧費とは本来、災害時のお茶やお弁当に なるはずのお金で、税金が一部有力者の会 席やお酒、コンパニオン代に消える事には 到底納得がいかない。

  情報公開の時代を迎えたが、市の幹部や 古くからの住民の特権意識が無くならない まま「平成の合併」を迎えても、決して、 地方自治は進まないと思う。行政を合理化 し、効率的に運営するためには、1人ひと りの市民が自立し、ボランティアとして市 役所の手薄な部分を補う他ない。もちろん 自らの選出した市長や議員に私利私欲の見 返りを求めるなどもっての他だ。

  私が 主張したいのは、これからの行政を効率化 するためには単なる人減らしや広域合併を するのではなく、全ての市民に対して情報 を公開し、その中からよりよい方向性を決 定すべきだということだ。

  私のように地縁も血縁も、もちろんお金 も持たないただの市民が全国の各市町村で どんどんと議員や首長になり、是々非々の 立場をはっきりと打ち出しながら行政監視 を行うことが肝要だと思う。

  要するに、全ての市民が自立した立場で 判断を下せる条件づくりこそがこれからの この国の針路を誤らせない唯一の方法だと 思うし、その条件作りに必須なのは、政党 も含めたあらゆる組織から自立した市民派 議員の的確な判断とそれを支える市民運動 の存在であると私は確信している。 

 


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